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夕暮れが早くなって夜がだんだん長くなっていくと、自然と月を見る機会が増えてきます。古くからお月見は、秋の収穫を神々に感謝し、また次の年の豊作を祈願するための儀式で、稲の収穫が行われる旧暦8月15日の十五夜に、神々への感謝の意を示すために、稲穂を代替する形でススキとお団子を飾るようになったようです。
そもそも旧暦は太陽太陰暦といって月の満ち欠けを基準とした暦で、新暦は太陽の動きを基準としているため一か月ほどズレが生じているらしいです。なので現代では9月にお月見ってことなんですね。また9月を長月(ながつき)と呼ぶ由来は諸説あるようですが、「昼の時間がどんどん短くなり夜が長くなるので夜長月と呼ばれていたものが略された説」がしっくりきますね。そして欧米ではハーバード大学やパリ大学など9月が年度始まりなのは何故なんでしょう?これもどうやら農業のスケジュールに関係しているようです。ヨーロッパでは伝統的に農作業の忙しさが7月から8月の夏に集中し、前の年の秋にまいた「冬小麦」の収穫時期が夏にやってくるほか、家畜を飼っている農家では夏に干し草を作るのでその間子供たちに農作業を手伝わせるので、政府としては多くの子供たちに学校へ通ってもらうよう9月が年度始まりになったようです。ちなみに日本の4月スタートはどうやら官公庁の会計年度に合わせたということのようです。私としては、夏の期間の草刈作業がやっと一段落したので、秋の夜長は虫の声でも聴きながら月見酒でのんびりしたいです。